だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?


 新曲の録音をしてきました。今日は自分録りの日でした。ギターを弾いて、声を録ってきました。ギターは割とスムーズに録れたのですが、Voに使うつもりだったコンデンサー・マイクが不調で悪戦苦闘。で、結局スタジオのいわゆる58を使って録音。音のクリアさではコンデンサーに軍配でしたが58で録った音も良かったので、まあ良しとす。次のスタジオでもう一度コンデンサーを試してみます。あとスネアを録りました。ダブしてきました。ドラムはアルバム全編を通してほぼバスドラ、スネア、ハットの3点しか使っていません。曲によっては3点を別個に録音するという事もよくやっています。この曲もそう。難しそうだけれど、Dr新井君が頑張ってくれるので助かっています。しかしあれですね、録音を担当していると自分の楽器を録るより、人の楽器を録っている時の方が楽しいですね。録りの方は佳境に入ってきています。

 話は変わりまして最近、『だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?〜ジャズ・エピソード傑作選』(ブリュノ・コストゥマル著、鈴木孝弥訳)という本を読んでいまして、これがかなり面白い。僕のようなほとんどジャズを聴かないような人間でも、名前だけは知っているという、ジャズ・ジャイアント達などのジャズ界のおもしろエピソードを紹介するという内容です。この本に登場するジャズマン達のエピソードを読んでいて、ジャズって尖った音楽なんだなと、しみじみと思うのです。決して高尚なものではないわけで。イメージとしてありませんか?特に日本だと思うのですが。そんなジャズのおっさんを何度も見てきては、ジャズという音楽から離れていったのです。そんな僕にジャズを聴くきっかけを与えてくれそうなのです。この本は。で、手始めに何枚か買ってみました。チャールズ・ミンガスセロニアス・モンクディジー・ガレスピー。まだ自分のツボを発見できていないので、楽器や年代問わず色々聴いてみようと思います。

 今日はDizzy Gillespie『Portrait of Jenny』。70年代の録音という事もあり、ロックもファンクもありのようで。で、雰囲気がダーク。亜流なのかもしれませんが、これくらいの音が今の自分にはちょうどいいんです。なぜディジー・ガレスピーなのかというと、上記の本の「ひん曲がったトランペット」のエピソードに惹かれて。トランペットの音は好きです。彼の40年代、50年代なんかも聴いてみよっと。あとドナルド・バードリー・モーガンなんかも気になります。マイルスもちゃんと聴きたいんです。
 『だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?〜ジャズ・エピソード傑作選』原本がフランスということもあり、ちと鼻につく所もありますが本当に面白いですよ。ジャズが聴きたくなる本です。だけど、誰がディジーのトランペットをひん曲げたんだ?―ジャズ・エピソード傑作選