しみったれ


 いつもの煙草のパッケージが新しくなっていました。左がそれで右が旧デザイン。これを吸い始めた頃のデザインが一番好きだったのですが、何年か前に変わっちゃって残念に思っていました。でも新しいやつは前のよりは好きだな。日常で毎日使うものが自分が愛着もてるものだったらいいなてよく思う。食器やライターとかそんなもの。ま、100円のコップなんかでも長いこと使っているうちに刻まれるものはあって愛着は湧くのですが。辛かったあの時にこれでお茶のんだなとか。記憶って日常のシミみたいなもんだな。消去できないからやっかいでもあり、それでも心地よくもあり。ものってそういうことを象徴しますね。恩師が、僕は都合のいいことしか憶えていないアルツハイマーなんだよね、って笑っていたのを思い出しました。酸いも甘いも噛みしめてきたうえでね。ロッキンブルースな妖怪。
 ものもそうだけれど、人との思い出っていうのはさらに感傷的。かたちとして残らないからなおさらか。歳を重ねるのはそういうことの積み重ねかって思うと、なんか苦い思いですね。しみったれたらね、いいちこのみながらブルースが聴きたくなる。随分酒と仲良くなりました。