『話しかけたかった』

 南野陽子さんの名曲です。5月の曲です。簡単にいうと、というか僕の印象に残っている部分というかですが、大好きな彼に偶然会えたのに髪の毛がはねてしまっていて、話しかけれなかった。奇麗だと思われたかった。という切ない乙女心を歌った素敵な曲です。
 そう、もう5月ですね。そう、僕はというとずっとメークマネーしていました。そんな5月の最初の終末というわけです。そう、まずは4月29日の「未遂の君」から。シゼンカイノオキテの皆様、どうもありがとうございました。来てくれたお客さん、関係者の皆さんありがとうございました。新メンバーになり最初のライヴということで、ライヴ自体どうこういえるものではなかったと思いますが、とりあえず新たなスタートがきれました。こうして続けて活動できること、変わらず活動させてくれる皆々様に感謝です。またこれから精進していきますのでご指導の程よろしくです。かたいですね。(笑)5月はライヴがないので新曲を作っている最中です。お楽しみに。6月からはどうもライヴラッシュです。

 そんなこんなで最近CANが聴けるようになりました!きっかけは2枚目の『SOUNDTRACKS』を安く手に入れることができたからです。前も書きましたが後期は聴けるなと思っていたのですが、初期のはしんどいなと勝手に思っていました。食わず嫌いでした。でもそんなものだと思います。聴くタイミング、出会うタイミングです。その時々で自分の感性というか、感覚って違いますからね。だからタイミングが合わないときはどうしようもないです。逆にハマる時はすごいハマります。僕は割とそんないい加減な自分の感性が好きです。今日はポスターに書かれていた「ヒューマン」という字が「ジャーマン」に見えました。
 ここからは僕のCANの聴き方、捉え方です。そう、CANの発想はニューウェーヴで音空間にはダブを感じてしまったのです。この二つの要素に僕は弱い。(もちろん僕のつぼを刺激する要素は他にも多々ありますが。)この視点からCANを捉えられたのが大きかったのです。よくいわれるプログレ視点とか僕にはありません。(これはまた長くなりそうです。)
 CANのメンバーはもともとベースのホルガー・シューカイ、キーボードのイルミン・シュミットがシュトック・ハウゼンのもとで学んでいた現代音楽家、ドラムのヤキなんたらがフリー・ジャズ、そしてギターのミヒャエル・カローリだけが一世代若くロックを演奏していたという経歴の持ち主達が集まってできたバンドのようです。そんな彼らが目指したのがロックというフォーマットを利用した西洋音楽からの逸脱です。そこでやることは決まり事の一切ない音楽で、即興重視。そして同じ音の反復。これって西洋音楽へのアンチ。そして最初の黒人ボーカリスト、マルコム・ムーニー、二人目の日本人ボーカリストダモ鈴木はその象徴になっているのでは。(しかし、そもそもこういう考え方自体が西洋的。まあここではおいておいて)この発想ってすごいニューウェーヴ的だと思いませんか。多くのニューウェーヴ勢がこのような指向を持って、お決まりのロックにアンチテーゼを投げかけました。彼らが行ったのはロックの解体。でもCANのメンバーにはロックがどうだという考えなんてなかったんだと思います。だって『SOUNDTRACKS』が出た70年なんてロックという音楽自体が西洋音楽へのアンチみたいなところがあったでしょうし、まだまだロックは先鋭的な音楽であったと思います。だからCANはロックへのアンチではなく(現代音楽などの)西洋音楽へのアンチとして、いわゆる第三世界の音(ワールドミュージック)を取り入れたのではないでしょうか。上手く説明できませんが、ニューウェーヴ勢が確信犯であったのに対し、CANの場合はもっと違った視点でこういうことをやっていたのではないかと僕は思うのです。要するにもっと自然なこと。天然。そもそも本質が違う。だからCANの目指した音楽は天然故に純度が高い。そういう偶然から生み出されるものって古びないですからね。POP GROUPの1枚目なんかにもそういう純度の高さを感ます。そういうものって真似できないんんですよね。
 で、後期になるとワールドミュージック色がより強くなってきます。『Flowmotion』『Saw Delight』。『Saw Delight』収録の「Call Me」なんかはもはやディスコでダブです。
 ダブという意味では、ホルガー・シューカイの音処理にそれを感じる。CANには作曲者が存在せず、即興演奏の切り貼りで曲にしているらしいので必然的にそれっぽくなるのだと思います。しかし『SOUNDTRACKS』でのドラムの鳴り、鳴っている場所には驚かされます。

 あぁ、ギヴアップです。眠たくなってきました。まだまだ聴き込みがたりません。言葉が足りません。勉強したいですね。自分が好きなものをちゃんと説明できるように。そういうことができるのって素敵なことではありませんか。
 あとMySpaceに新メンバーになってからの音源をアップしたのでよろしければ。
Flow Motion (Hybr)
Saw Delight (Hybr)
Soundtracks