我思ふ


 先日はエンジニア関さんを交えてのmix作業。深夜に及ぶ作業でみんなふらふらでした。僕は夜型人間なので、むしろ夜になればなるほど元気になるのですが後のお二人は朝から働いているので、なんといいますかお疲れさまです&ありがとうござます。そんななか関さんを中心にいいミックスが仕上がったのではないでしょうか。「about a midnight」という曲です。ほんと我ながらタイトル通りの感じに仕上がったと悦に入っております。
 こうして一曲づつ、一音づつmixしていく作業というのは大事だなと思う次第。まだまだ慣れないし関さんにまかっぱなしの部分は多々ありますが、一回一回が本当に勉強になっています。答えもゴールも自分で作らねばならぬ故、自分達との勝負です。そんななか関さんが一つ一つ丁寧に扱ってくれるし、説明してくれるしで夢中になって臨めているわけです。楽しいのです。自分でももっと出来る様になりたいんだなほんとうに。働いてお金を稼いでレコードを買いまくる、ほんと今月は買いまくりました。それもいいけれど、自分の時間を持つというか、自分の音楽と向き合う時間をもっと作った方がいいんだろうなとよく思うのですがなかなかでして。少しづつ出来る様にしたいのです。しないとだめなのですわ。完成はまだ先になりそうですが、一歩一歩前進しているのは確実です。

 NINA SIMONEの66年のアルバム『WILD IS THE WIND』より「BLACK IS THE COLOR OF MY TRUE LOVE'S HAIR」。歌詞の内容は解りませんがこのタイトルでいいたい事はズバリ解りますね。自分がブラックピープルである事の誇りを高らかに歌った曲。他にもこのアルバムには「FOUR WOMEN」など内省的な良い曲が揃った好盤です。こういうのを聴くと自分が日本で生まれて、育った誇りって何だろうなみたいな事を考えるのです。25年間生きてきてこの国での自分のアイデンティティみたいなものを殆ど感じる事無く生きてきましたが。自分とは何者なんだ、という事を静かに思う瞬間がよくあります。音楽を作っていてもそう。自分に問いかけるのです。なんでこういう曲なんだ、なんでこの音なんだという事を。そういう事ってきちんと向かい合わねば解らぬことで。これはこうしてアルバムを作る過程で得られたものの一つです。まだまだ半端ものですが、精進してみます。はい。

 君は何を思う?