好きな音はパーカッション


 久しぶりにヘッドホンで曲を再生。すると前後左右のバランスがすごくよく解るのに今更驚きが。住環境が変わってからというもの9割がたスピーカーで聴いていたし、前に比べて音の鳴り方を意識出来るようになってきているというのもあるはず。一日一曲でも音一つ一つが前後左右どの位置で聴こえているのかを書き出してみたら勉強になるだろうな。ヘッドホンリスナーに戻ろうとは思わないけれど、環境を変えて聴いてみるのは聴こえ方も違うので新鮮味もある。頭を使って音楽を聴く事も有意義ではある。
 いつ振りかでちゃんと聴いたvillalobos。こういうテックハウスものも結構聴いて消化したつもりだったけれど、やはりこの人が一番好きだ。きっとグルーヴが違うんだな。トラックメイカーにおけるグルーヴ作り、如何に自分のグルーヴを出すかということにアイデンティティを求めるならばこんなに個性的な人って自分の中にはいない。パーカッシヴな音が色んなところで躍動し、パンニングの妙か耳がマッサージされるているような感覚もある。音の数が増えても減っても変化してもすべてが有機的。ベースになるリズムはストイックに聴こえるけれど、細部は軽快でしっかり遊んでいる。何かで自分は元々パーカッショニストだという記事を読んだけれどすこぶる納得のいく話。曲の情景を限定してしまうような安易なメロディなんかは必要ないと思っていたのかどうか。アンサンブルの妙は決してメロディだけではない。点と点が絡み合った渦を巻くような高揚感がこの人にはある。Ricardo Villalobos、前に書いたルーパーを買うって決まった時にこういう曲作りが出来ないものかなと思った。今の所一つの極点ではある。