ロバジョンとの距離


 ロバジョンだ。イントロのスライドギターと唸り声にとーーーくへと飛ばされやしませんか。それは月日であり国境であり、、、物理的なものでありそうでないものであり。たかだか80年前の録音だけれど、そうは思えない程の距離を感じる音楽。何かを喚起させられることは音楽を聴いているとしばしばある瞬間だけれどここにそれはない。因果応報諸々が濃厚に反映されるブルースという音楽において、それを超越した何かが確かにあるような気がしてくる。自分の中に入ってくる音が他と異質だとは思う。安易な共感などは簡単には許さないかのような、鬼気迫るといっていいだろう演奏。同時代のソングスター達にあった娯楽性や大衆性の変わりにある孤高の道をゆく静かな激しさ。I went to the crossroad〜それは音楽に全てを捧げてしまった者が故に生まれたクロスロード悪魔魂売り伝説でした。